POEM 8

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私は死なない 無 理 花の咲く前に
今のままで いちぜろいちぜろ 桃花源
葉 裏 人の仕事 温い月
教えて はやり 河堤観月
超新星 誰も責めない こころある
道 草 春の手袋
杭を打つ ふんふん誤謬 木曜日
777 雨に唄う アレキサンドライト
汗 汗 矢 研 夢の感触
蝶 々 マドロス 生まれたところ

私は死なない
i'll never die

私には愛する者があ
だから 願いは
いつもの おはよに 込めている
辛くても 哀しくても 惨めでも
私は あなたを 守りたい
最後の さいごの さいごまで
私は 全てを 諦めない
だって こんなに 生きたもの
生きて 素敵を 貰ったものね
だから
ほんとうに
あなたも あなたを やめないで
あなたを
私は
愛してる


無 理
muri

出来ない だめ やめて
ではありません
理由がないから 出来ません なの
あなたの わけで進むなら
無理など なんにも ないのです
行きたいとこに 往きたいのなら
還りのことを 捨てましょう
それでも 未練がありますならば
ここから
どこにも 行けません


花の咲く前に
hanano sakumeni

見えない大地のその下で
凍った土が緩む頃
まず 四方に 根が動く
誰にも知られず 闇を掘る
自分は 日の目も見ないのに


今のままで
imano mamade

許されるかな あの言いたい放題
ごめんね 君は 変わらないでいい
何だか 時につれて 変わったのは
私の方だから
優しさを装おうように 尽くしているように
それが ことさらに 小刻みに 傷を 付けたんだ
壁なら 壊せるし
臆病は押せば済むけど
偽らないで 生きる術を教えてくれる
そんな教室はないんだよね
記念碑になりたい 人もいる
ものが すべての 人もいるから
倒れる杞憂を する暇に
生きて行く
今のままを
裏切らないで ありたいと
確かめて見る 卒業写真
その数の 人生を 誉めたいよ


いちぜろ いちぜろ
ichizero ichizero

なんでもかんでも決め付けられて
その反抗に生きてきて
戻りたくない 過失たる過去
電気の信号に右往左往して
人の行き方は 何進数でもありませんのに
たとえていうなら いちびっと
そのくらいで充分です
誉められても一期なら
責められるようでなくては
ひーろーには なりますまい
それはそれ
「いったい 何が?」

覗き見だけは そろそ 止しましょう


桃花源
toukagen

ふるさとの 見捨てられし廃屋の裏に 淡き花の咲き誇る

泣くことは止せ 怒りは捨てよ
おまえのために 祈っている

命はどこにも行かないで
そこで 今年の春を歌っていた


葉 裏
haura

ねえ 見たくないものを
顔背けずに 目を閉じて
あの優しかった仕草を
思い出しているの
夜に 葉裏が光るのを
信じて ここまで 来たのなら
もう 泣かないで
ぼくは いつでも 君を見詰めて
片時も 忘れない 側にいる
その闇の 扉は
ひとりでは開かない
たぶん ねぇ
三人以上も 駄目だと思う
だから ぼくがいる


人の仕事
hitono shigoto

栄達に無縁 およそ金銭の欲が無い
田舎に暮らし 手仕事で その日を生きる
他人の毀誉褒貶に係わらない
そんな 若者が少し増えたような気がする
そんな 喜びに 出会うと 嬉しい
人の仕事はなんだろう
食べる為 生きていくため 金の為
ねじれは やっぱりきっと 若い世代が より戻すよね

それこそ 歳の差もなく 付き合えるのは
自分の人生を 真に大切に生きている人たちで
とことこ とぼとぼ 歩いていけば
身の程なりに 身に余りある友を得る


温い月
nurui tsuki

携帯のストラップが 変わってた
なんでもないよな そんなことが
気にかかるのは 何故だろう
去年の桜と同じに見えない
それだって 変なのかもしれない
かかって来ない 電話にあたって
オフにして 意地悪してる
それだって わたしの趣味じゃなかった
それは 今宵の月のせい
ああ 温い月


教えて
oshiete

教育の 育てが消えて久しいので
先生は もう 消えてなくなりました か
こうなったなら 明治を越えて
江戸ケーションの ほうが ピンと来る
寺子屋のお師匠さんが 手習いに
朱を入れ 教えた そのほうが
おんなじ みすぎのためとは いっても
個性伝導の 意味があるような

教えて ください 私の子供に
路傍の犬との 付き合いを 


はやり
hayari

トレンドという言葉もいっときのトレンド
まるで埃を洗う涙のように
あとからあとから 湧いて出る
はやりは それで いいけれど
役に立たぬと 嫌われて
年を取ったら 捨てられる
この世のほうこそ 廃れなさい


河堤観月
moon river

こんなふうな 赤く凄い月には
吠えるのが 似合うばかり
この 月の下
信じた人の 裏切りも絶句だろうし
夢が醒めるのにも 躊躇うばかりに違いない
音も無く 光り去る流れに
私を乗せて 時が溯るなら
月で私が杵を持つのを
見るだろう


超新星
super nova

猫の額の星の上
憎み 恨んで 傷つけあって
子供達はといったなら
すごい かわいい また
超すごい と まくしたて
溜まらぬうちに ガスを抜く
さらには 昔のおじさんも
抜け毛を 奇妙に 懐かしみ
枯れ草原に 臥せってる


誰も責めない
daremo semenai

刹那のことを ひとの せいにして
ごまかしながら 生きてきたから
私がいちばん 責められるべき

何処へ行こうと 帰ろうと
あるいは 不明になったとしても
許す限りに 許してる
もしも 涙に力があれば
死ぬまで いっぱい 泣いている

だけど 時々の 愛の仕草に 嘘は ないから
明日へと 溯上する
このささやかを
称えあっても 悪くない


こころある
kokoroaru

ねえ 君 心有る
行き交う人に尋ねても
胸の辺りを押さえて ん?
心は身体のどこかなの
あるいは 頭の全てなの
良かったことが少しずつ月夜しずくに
溜まっていけば こころの中に固まるよ
理屈じゃないし 暮らしでもない
その他のなんでも ないようだ
違う 違うよ そうではなくて
自分に嘘をつかぬよう
誰かを犠牲にせぬように
私に こころが ありますように


道 草
michikusa

人のものでない 路傍に座り
一口食べた その草は
節操のある兄弟のような野良猫の
今日の褥ではありました
せがまず 媚びず 欲しいだけ
今日を今日の分だけ生きていく
それが無用の生き方なの
中途に少し休んだら
それも卑怯の誹りなのですか
潔い 散り方なんて信じない
のたうって
行きたくないって 叫(おらぶ)のが
ほこりに まみれる 私だな



toge

初めから 意図されたものは少ない
たいていは自らが 踏み 受け入れる
深く刺さった それが 辛いのは
たぶん 自責の痛みが混ざるからだ
いたる所に わらわらと棘は あるので
恐れていれば 立ちすくむ


春の手袋
haruno tebukuro

道を車で走ると いろいろ 落ちている
靴が片方落ちていたり 鞄があったり
ミステリアスな物も多い

春の 手袋は 許せてしまう
本人の意志確認なしに あってもいい ひとつ
雨前の 蛙のように
ものの 背景は
結構 シリアスに 長閑を呉れる


杭を打つ
kui o utsu

100年に 千年に一度の子のために
黙々と杭を打つ者がある
偉くも無いので 無視されるどころじやない
指クルクルと 頭の辺りで 回される
今生の花宴のもとに 浮かれながら
槌さえ 持たない 私は
長い命のことを 思いつき
ひたすらに 酔っていました


ふんふん誤謬
fun fun gobyu

頼りない月の灯りで
別れの手紙 読みました
文字など読めないはずなのに
あなたの気持ち 伝わりました
泣かなけりゃ 無理やりに
目も口も刺激したのに
激しく哀しすぎたからですか
からだは 不思議に 虚ろです
川瀬の流れがきらきら
何でもないように
決まったことでも あるように
遊びで誘うようでした


木曜日
mokuyoubi

雨の降る 木曜日の昼
何もせず
雨を見ている
こんな日は ささやかに
若い頃を ぽとぽと歩く
梢に鳴くのは気狂い百舌か
それとも 浜辺の 貝の群れ
雨の木曜は けだるくて
窓辺に座って いるばかり


777
nana nana nana

バー すりーせぶんには 疵がある
高校生だと いって 追い出した
若気のいたりの 罪がある
芽生えた大人を摘み取って
何よりは
儲け損ないの悔いもあるだろうに
無くなっちゃったら しょうがない
よろよろ くだまく 若者は
めっきり すっきり 減りました
公務の仕事の
ハゲだけが
日本を語ってオダあげて
そんなお店も知らぬまま

2000円ほど 使います


雨に唄う
ame ni utau

ライトに光る 車道
滲む色たち
裾を濡らして 勤め人が帰る
どの顔もうつむいていて
ちっとも楽しそうじゃない
喜びは溜まらず
疲労だけが蓄積する
排水溝の網のうえ
傘が刺さって 外れない
額に たっぷり 雨を受けながら
踊ろう 唄おう


アレキサンドライト
arekisandoraito

その輝きは私のでなく
私を見ようとする あなたの 視線
ただ縦横に結晶しているだけで
私自身に 色はない
心を捜せば 心をあげる
億年の夢の結果
身体が固くなったのだろうか
若い頃のように
自在に角度が変えられなくて
申し訳なく 思います
ただあなたの ソレ が本物だったら
あなたにだけは 私が見える


汗 汗
ase ase

よく動いたら 落ち込まない
悪さをしなけりゃ それでいい

あせ あせ あせと
いろんな種類の 汗をかく
ごめんも 恨みも 沁みている
叫びに 言い訳 偽善など
あるだけ 放題 汗になる
流れて いけばそれなりに
責める人などありゃしない
やがては 現代自然の 理で
地球を汚す だけでしょう

悪いことなど していない
魔界転生の 寝汗の布団


矢 研
yatogi

臆病な戦士は
黙して 矢を研ぐ
傷つけ 殺すためにでなく
不安をごまかす為に
山深く 身を隠し
清冽な水に
手を浸す


夢の感触
yumeno tegotae

日々の暮らしより
夕べの夢がリアル
心は疲れているけれど
ただ
身体は解放されていたから
えいやっ と それだけで
次元を超えて 何処にも行ける
そこでは うつつ 起きて幻


蝶々
chou cho

限りなく美しく 舞い踊る
たとえば 心が哀しくても
あなたは 蝶だ
自然に生まれ 風に乗る
私は それを 歌にして
明け方知らず 声枯らしても 和すだろう
景色の中にあるように
あなたが いなくては 白黒の
ただの 写真になるでしょう
生きよ強く 羽ばたけ更に
その笑顔こそ
花 なれば


マドロス
madorosu

パイプをくゆらせて
七つの波頭を越える
バスにも酔うほどの少年は
それでも異国に憧れ続けた
果たせなかった大きな夢の入り口は
今でも 黙って そこにある


生まれたところ
umareta tokoro

何万年も 愛しつづけて
人は 今なお 殺しあう
人に生まれた不幸です
選べはしないそのことを
つくづく思えば生きられず
不幸を更にまた重ねそう
珠に穿った穴だけは
永劫さえも残るのに
肝に銘じた約定は
生まれどころを異にする
七つの審判待ちきれず
宗旨のためにまた憎む
人に生まれた達人達は
己を高めて去るばかり
神も仏も手を取り合って
生まれたところを嘆くのか


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