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色が色である為に 、 ステイション 、 時計  

青い鮫 、 全てがMになる 、 方言 、 春はあけぼの


父の年を越える 、 ひぐらし 、 君の去る駅 、

彼岸花 、 リヤカー 、 ブライアン 、 ホコタカ ホコタカ 、

憂 愁 、(ヤマトタケル)みのむし 、すすき



憎しみが、いつ生まれたのか
殺意が何故存在するのかどうでもいい

現在の私が虹の五線譜の何色なのか

価値が先に問われる世よりも
存在だけで認められる
スタイルよりも叫び
パッケージはもういらない
おいしいもの味わえるもの
公言じゃなくひとりごと
雨の色が悲しいこともあって雨の音が嬉しいこともあるし
誰かをれきしの誰かに似せないで
酔う事を止めないで流離うことを責めないで

刻みいく時間の差は宇宙のことわり
あなたのときと私のときがズレテいてあたりまえ
匂いが答えてくれる
風が教えてくれる
ただ
色が色である為には私は

自身の目でいつまでも照らすのだ
ただ黙々と私自身を


別れた駅のホームに立って
夕日の後を追いかけた
あれは遠い日二十歳の僕の
初めてなくした夢の色
CDショップに
八百屋に風呂屋
コーヒーハウスに取り残されて
風は孤独に
泣いている


ベルトの壊れたデジタル時計は
もう誰の腕に巻かれることも無い
捨てられもせず今では
壁の一部になっている

それは
果てしなく過去への時を
刻んでいるかのようだ
男が犯した過ちを責めるように
やがて
液晶が薄れ
コントラストを失う日まで
ただ
ひたすらにマイナス

旅を行くだろう






青い鮫

 
 
未練のない男はこの街にはいない
恨まない女もここにはいない
潜る(くぐる)ガードの闇の深さだけは途方もない
憎むだけでは 救えない者達
過去を撃つのか
明日を撃つのか
誰も知らないまま
漂う さまよう 流れる 泳ぐ
Return to your home town
OH PLEASE
Please
Return to your you
 
 
 
やましさのない男はこの街にはいない
愛のない女もここにはいない
潜む(ひそむ)悪意の数の多さだけは途方もない
夢の色では 歩けない車道
意味を絶つのか
価値を絶つのか
牙も砥げないのに
漂う さまよう 溺れる 沈む
Let's go to your small town
OH PLEASE
Please
Let's go to your love
 
> 「新宿鮫」をイメージして作詞してみました <

全てがMになる

草原の穴に潜んで時の過ぎるのを待っていたうさぎは
自分が何を恐れていたのか忘れてしまっていた
それでも得体の知れない何かのために
耳の先だけをこっそりと草の間からのぞかせている
ひと筋の風におびえ穴深くへと
再び逃げ込みたい衝動は絶え間なく襲ってきていた
嵐から逃れたのかきつねに追われたのだったか
問題は今や過去の恐怖自体には存在しないことさえも
気づかずに
うさぎはただ耳だけを世界に傾けている


川南弁の老人

ボジョがシャチを叩いたら
もう、すったり仲が悪りなっち、よ、目ン中のスボんごつ
喧嘩ばっかりんなったっちゃわ
親もおらんごつなっちかい仲良うせにゃいかんとにね
まこち、てこっじゃわい
父ちゃんと母ちゃんはいい人達じゃったっど
早よ死んじもたもんじやかい
今んあんどんを見たらよ
どんげ悲しいこっちゃろかいね墓ん中かい手をさっ出ちかい
叩きまわしてつは親ん方じゃねっじゃろかいね
まあこんげなこつ言うてん言葉が分からんちゅう子供みが
おいなったもんね、おりも早よ迎いが来れば
そりが一番いっちゃけんどんよ
こりばっかりゃ、どんげもでけんこっちゃわい


春はあけぼの

中野坂上の居酒屋で眠っていたらしい
リアルな夢
昭和が平成とかいう年号になり
とても不景気な日本になっていた
わずか二時間ほどで三十年も先の世を見てきたようだ
ビールが二本お銚子二本
外は桜の真っ盛り
最終電車はもうすぐだ
800円の勘定がいくらになる時代だったのか
そこまでは見そびれた
せめて2000円ほどで済めば良い
先の夢より今日の花
今日の金


父の年を越える

もずが高い声で鳴く林の頂上あたり
陽だまりにすわると
樫の刀を思い出す
鉈と小刀で形を作り
焼酎壜の欠片で磨いて仕上げ
遠く海が見える眠たいようなけだるさの午後のこと
恐ろしいほどに気ままで暴力に満ちた男
唯一の優しさの記憶
タバコの匂いと酒の匂いをいっとき許し
そのオーラに抱かれていたかった
1/3世紀前逝ったひとは
何処にいるのだろう

娘が私の年になった



HIGURASHI

誰よりも早く哀しみを知り
時の移ろいを告げて鳴く
俺はひぐらし
心のままに
過去や未練を引きずり暮らす
訳を話さないで
君の目を見ただけで
居場所を失った
それだけはわかるよ

やがて空に舞う白い物たち
時の迷いに見えて来る
俺はひぐらし
労わる事を
せずに誰をも傷つけ暮らす
意味を重ねないで
言の葉は限りなく
虚しさへと続く
それだけはわかるよ

俺はひぐらし
あてない道を
あしただけはとめくる夢
優しくはしないで
帰ることしないから
淋しかったんだね
それだけはわかるよ


君の去る駅

カーブして消えるテールランプ
言葉もなく
終わりを知っていたふたり
戻せないからこそ
想い出は美しく
アルバムへと道を急ぐのだろうか
君の去る駅
夕焼けと電柱の灯りは
同じ色温度を
保っていた

Turn to your memories.
時雨れる
武蔵野の記憶


彼岸花

夢の中で母はいつも
お墓参りをしている
理屈を嫌いただ優しさを好んだひとの
一生はなんだったのか
彼岸花
今年はいつもより色が薄いような
そんな気がする


リヤカー

家を出るときに母は
これは私が買ったものだから、と
リヤカーに白黒のテレビを積んだ
青いアクリルのカバーも忘れずに

「ネコを連れて行く」と駄々をこねる私に
ネコは家に付くものだから
「ミーは、あなたを愛してはいない」と
諭した

幾度となく繰り返された
家族の光景
ひとり去り、またひとり逝き
残された私は
置いてきた三毛猫を
今もまだ探している

実家への夜道
母は幼い日の幸せな記憶を
私に聞かせた
もしもそれが本当なら
私は王子になっていた事だろう

人生は取り残されるもの
泣いて済むことなど
なにひとつもありはしない


ブライアン・モス

「小学生の頃
ある日家に帰ると
家庭がなくなっていたんだ」
ショットバーのカウンターで
君はつぶやいた
陽気なアメリカンだと思っていたのに
きみにも過去があったんだね

僕等は夜な夜な飲みつづけ
互いの勝手に語り合ったよ
そして
明日はいいことがあると
ホントニソウオモッタよね

ガイコクジンより
外国人のような
日本人がいると
君は云ったけど

人間は国に生まれたけれど
地球に生まれたんだよ

いえばヨカツタね
確かな言葉で。


ホコタカ ホコタカ

コトバワ イツモ ホコタカ ホコタカ

アタタカ
ヤサヤサ
フワン
ユルス

ダカラ、ホコタカ ホコタカ
ダレヲモ アイシ
ケンオキライ ノ モジワ ナイ

カワイ
カッチョイ
イッツクール

ホコタカ ホコタカ
シヌナ
ゲンキ
ヒトガイテ

イツモ ホコタカ
アイガ スキ
キミヲ スキ


憂愁

高原の風が見たい
ちっちゃい頃転校して行った
林さんに会いたい
熱く焼けた小石で耳の水抜きをした
感覚のようで
まるでたよりない願望

アップダウンだけでまるで真っ直ぐの
道がある
こうあるべきだ
が無くなって自由がうつろな
響きでエコーする

三光町のアートシアター
柏木の牧原蒲団店
四谷三丁目の左門
安田ビルのひまわり
ぼくは
二十歳の頃のままで
目覚めると
中央公園のベンチ
に寝ていた

そんな夢だった


日本武尊

彼は「年の森」に
石の船でたどり着いた
楚々とした若妻を抱き
弓も剣もなくいまはただ
ひっそりと新たな生活を夢に見て

稲を育て
酒を醸した
月の世に笛を奏で
彼女は天女のように舞い
森は深くふたりを愛していた

武(ちから)を
請われても否と
いえるはずであった
烏の騒ぐ前線の予感に
慄いていたのはむしろ自身だった

美々津
船出のとき
猛々しく駆け回り
火を囲む戦支度の群集は
王子の涙を誰も知らなかった

平田と呼ばれ
高森とも異称された
「ほとけざか」の泉のことを
いつまでも彼は忘れなかった
それは妻と月を写した水であった


蓑虫

好みの木でも枝でもないが
ゆらゆらと
地球を揺らして見る

雲に覆われた星の向こうに
小さな月が昇る頃がよい
すぼめたままの入り口から
木枯らしが忍び込むまで
眠らずにおこうよ
大事な物はみんな
外に置いてある

盗られる物などありもせず
ある日ある時漠然と落ちていた物を
我が物だよと
厚かましくも己の欲で決めたこと

私はいいな
ゆらゆらと
宇宙を揺らして
身の丈ほどの寝屋を持つだけ


どこまでも道沿いに
すすきが揺れる
遠くドライブした日
二人の距離は光年も遠く
出会ったことを君は悔やんでもいた
狭い部屋の
限りない想い出から
抜け出せないのは
俺のほうだった


黄昏に山は沈み
すすきが燃える
わずか半年のちの
さよならなんて考えもせずに
夢見たものはすべて風に散切れた
あの駅の
階段の降り口
待つ君の姿
せめて空似でも


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