POEM 4

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詩人の魂 君が正しい 雲の音
いつか見た虹 人は絶え間なく 孤独な旅
誤 解 玉子酒
氷まくら タクシー
霧のカラス 雨のち晴れ バーゲン・セール
異国人 今はただ
路傍の花 何故結果を 君の歌
18の旅 愛しのココ 口笛
朝 に 午後のレモン あした吹く風
白い息 雨上がり夕映えに Snow at the midnight

詩人の魂


愛してもらったのは いっとき
とっとと 置いて 世を捨てた

それを
憎めるほどに 育ったら
これほど 歌を 唄うまい
この世のことがすべてなら
あまりに哀しい世のしくみ
馬鹿だ 間抜けだと
たぶん 叱るよね 親ならば

愛に溢れた 想い出は
いつも なぜだか 独り言

季節 季節の
喜びを
これほどいっぱい  貰ったのにね


君が正しい

曲がらずや 君の道なり 曲がらずや
もずくの色に 怒る我なり

頂くものを感謝し
残さずに食し
技に 対価するものを置き
そうして どういうわけか たまに
突然に
怒りを感じることがある
心が
痛むことを どのように表現するか
生存の 残り少ない年寄りが
短気であるのは 許されても 良い
のかも知れない と
ふと 感じた


雲の音

雨上がりの
芝生に寝転んで
冬へと向う
雲の音を聞いていた

群青のネクタイも
濃紺のワイシャツも
濡れそぼって
泥に汚れていたが
その快適さには
換えようがなく

限りない深みを流れる
雲の音は
いつまでも どこまでも
身体の奥に
沁みていった


いつか見た虹

手に手を取って ピクニック
笑顔は誰にも伝染してゆく
ささやかに
幸せを感じるのは そんなとき

動物園に 植物園
人に管理される哀しい生き物達を
笑いながら 眺めた日々だった

あいまいに アナログに 連続する
境界の意味を どうして
うまく云えないのだろう と
夜ともなれば 酒を飲みつづけ

いつか 見た虹のような
言葉で伝えられない ものを
私は ことばで
不細工に 紡いでいる
娘の為にと ごまかしながら


ひとは絶え間なく

愛し続けて止まないのに
日々憎み合い
他人の絶望のことを笑って糧にし
自己を守るために
家族さえ ころしつづける
この世に希望があるとすれば
子供達の笑顔だ
社会は矛盾に満ち
不公平に胡座していたり
たとえ 100年の争いが止められなくても
我が愛し子達は
恋すべき瞳を忘れない
だから
世を捨てたりはしないで
明日を信じている筈だ
恋と愛の差は
生き物にとっては微小でも
人間だけは 生かしきる
それでなくては


孤独な旅

何を失っても歩きつづける
街を行く人たちは そう見える
ポインセチアの その赤が
ガラスに映えて 揺れるから
もう一駅を目指そうか
誰も皆 人生を
希望と共に生きたいよ


誤 解

優しさではなく 落ち葉を避け
帰るあてのない 舗道を歩む
ビル全体にリボンを架けて
年末の行事を訴える銀座に
声高くデモの列が過ぎていく
街路樹にはイルミネーション
こんな夜は 樹上に暮らす
 昆虫でいたくなる


玉子酒

太陽は 西の空を焼いている
埋め終えた Beeが それに吠える
1日だって 同じ日は巡らないのに
この倦怠感は なんだろう

迷子の影は さらに長く 赤土の崖に迫っていた

 咳きが出ると 特にやるせない
家宝の玉子を 惜しみなく割った
そのかみの
母の 後ろ姿を 拝んでしまう

心は狂おしく叫ぶのに
涙はとめどないのに
.....

昨日のように 今日が行く


受ければいい
それが金になる
正義には 力が要る
力は その他の虚飾の
人が作った最低の化合物質で
神さえも平気で裏切る麻薬のよう
優しさをあくまでも信じた 死人には死ぬ訳があった
意味は常に問われるが 訳を知ろうと
私達は本当にしたのだろうか
こうして数万年も生き得た
人類を誇る為には
個人の 人生は
あまりに短い


氷まくら

病気になると
かまってもらえ

布団を掛け直し
薬を飲ませ
誰も 優しくて

洗面器
タオルを絞る
暖かく耳に響く

熱 咳の となり
幸せは氷枕に


タクシー

夜の明けきらぬ街に冷たい風が吹く
つり銭を抱えて
白い息を吐きながら車庫へと歩く
川沿いの道には落ち葉が舞う
熱いコーヒーが身体に溶け始める頃
ようやく彼の一日は目覚める
車を点検し メーターをチェックし
 朝帰りの酔っ払いに出会わぬことを願い
ハンドルを北へ回す
いつだって変わらない日常が
いつだって 同じことはない今日が
タクシーのいつもだ


夜中に 目覚め
禁煙を誓い

ストーブに火を入れるときは
くわえタバコ
咳をするたびに 我が身は愛しい
「大丈夫?」と
尋ねる人が欲しくなる
思い切り
悪さを繰り返しながら
無罪を叫んでも
陪審員は 誰一人 動かない
飲みすぎた今日は
禁酒を誓う


霧のカラス

霧は明るく密度濃く
おだやかに時間を抱いている
沈黙の鳥には
妥協しない
意志の強さがあり
背景となっても
くっきりと
存在感に満ちている


雨のち晴れ

急に陽射しが襲い
驚いて見上げると
雲は切れ 青空が

狼狽する心は内なる
混迷の顕われで
二日酔いのせいではない
果てしなく歩きとおした道を
振り返ると
アンバーに揺らぐ陽炎

振動の呼び出しは
今は取りたくない
あの丘の上まで
足元を確かめて
うろたえずに行こう


バーゲン・セール

チープなものを 少うし買って
粗末な年の瀬を 生きていく
たとえ 40年元に戻っても
余り変わらない 暮らしもある

子供達がいつも元気で走り
明日を憂いたりはしないので
その親達は
優しく今年を 送れそうだ

魂を安売りします
節操はタダです
2000年冬
街は喧騒に満ちていた


異国人

脳みそが砕けるほどの怒りの顔だ
昨日を思わない 明日を信じていない
鏡の顔は人に見えないし
言葉は自分の口からこぼれるのに
意味を持たない 伝わらない
ワタシハナニジンデスカ
心に溢れる思いはいつも独りのもので
誰に対するということがない
たとえば会話は道具ですか
他人の心地よさというのは
どんなものですか
ケチでハゲで 乳は小さい腰は太い
侮蔑の渦に取り巻かれてもお愛想を欠かさず
言葉の伝わらない国で
帰るべき実りの無い営みを
繰り返す明日が暮れる


涙は

人前ではあれだけど
どっちかといえば 良く泣く
哀しいこともあるけど 感動することも
訳の分らぬこともある
自然に泣きたいときもある
でも
寂しいからとか
自分が可哀相で泣くことはないよ
他人の苦労は身にしみるけど
自分の辛さは気にならないものだ

それでも 良く泣く
ナイフを研ぎながら
既に涙を流す
気の多い人は泣くという
醒めながら心地よい
脳の支配の7割は
目のためにあるらしい


今はただ

心を揺らしながらでも
帰れるならいい
あてのない欲望ガード下
今はただ これしかない
誰のせいじゃなく
誰に伝えたくも無い
テールランプに
後悔するのは明日だ
今はただ 君にゆだねよう
生まれた日から
このために生きてきた
眼の色に怯えながら
後悔したことは無い
今はただ 愛を語ろう
すれ違う作為の時を
怒るのは若いときだけ
どこに行き何を云おうか
今はタダ


路傍の花

誇り高く
埃塵に塗れ
密やかに咲いていた
あるいは踏まれ
そして摘まれるだろうが
それは自らの運命
他のためになすべきものは何も無い
すべて
あるがままに受容して
花は花のように
生きて 死ぬだけ


何故結果を

徒競走のように いつも結果を求められ
日々を 楽しめなかったよ
いつも 結局が合言葉
参加することが大事だ と 言った人も
居るにはいたが
少年の頃も 今も
誰もが 結果オーライ

一日の充実は 金には換えられない
それを 伝える人になりたいな

心が前向きなことは 何よりも素敵だと
完璧に理解して
ころしあう 社会

今が大事
一瞬が 全て
ゴールを遠く求めない
今日がすてきなら
あなたも 素敵


君の歌

悲しみの夜は去り
心は疼き続けているのに
今 新しい日が昇る
希望の色はそれぞれで
癒される言葉も違うけど
君の歌が私を導く
それは
厚く遮る雲の隙間から
わずかに射して
夢を見させてくれる歌
さあ 諦めないで
ともに唄おう 愛の歌を


18の旅

人にいうほど 形は無くて
見送る人は 君ひとり
海沿いの駅に 汽車が来る
描いたものが どれほどで
塗るべき明日が あるのかも
花散る時は 教えない
ただ 俺が俺だけの 18の
旅のことだった

暮らしは暮らしで過ぎていく
去るべき者は常に逝き
レールの軋みの音がする
いずこで飲んでも酒は酒
希望の灯り 見えなくて
喧嘩喧嘩で 明け暮れる
ただ 俺が少しずつ 壊れる
旅のことだった

数えてみれば きりが無い
消し去るものが 多すぎて
重ねたものは 傷ばかり
どこへ行くのと 聞いた君
それは確かなクエスション
未だ何処へも 着いてない
ただ 俺が生きている 止む無き
旅のことだった


愛しのココ

イグアナの仕草は不思議にカワイイ
「シュッ」という脅しの声
尻尾を鞭にして抵抗もしたよね
野菜の好き嫌いも 結構在ったり
チンゲン菜は特に好みの
彼女は
生まれて間もない頃
うちに来た
二冬を終えずに 娘の埋めた ココは
決して我が家の家族から
去りはしない
君のものだった
ロックウォーマーは
二度と役に立つことはないのに
どうしても 捨てられないでいる
爬虫類を 死ぬほど恐れた 私を
いくらか変えた 愛しのココの 話し


口 笛

曲がり角にさしかかると
導く音が いつもあった
唇は乾き慄いていたから
それは他のものだ
いつも確かな方角を持ち得ない
私には
なんと呼ぼうと
それは口笛に聞こえた
不安定で 懐かしい
頼りなくても 惹かれる
機器によらない
大地に溶ける
そのようにして
私は歳月を よろよろと重ねた
いつか 道が途切れ 港に着いても
必ず その音は訪れるだろう
天が生きろという 限りは


朝 に

「おはようございます」

丁寧に立ち止まり お辞儀をして
少女は 爽やかに 過ぎて行く
辺鄙な田舎の旅館の前だった

焦点は ズレテイル
問題なのは 子供ではない
ワタシハワタシと生きてきた
大人のこと

生まれた者を 戻せないなら
時間を ダリ に委ねるの?
だって 歴史は 常に
日々の重ねだろうに ネ


午後のレモン

傾いた子午線
饒舌な北風
チェックアウトの時間
乾涸びた男の顔
思い出せない 三文字熟語

コンパスの迷いは
淡彩になり
中心の艶を奪い続ける

まだ
切れば いくらか使えるかな
見かけでは
確定しかねる 日々の意味に
似て


あした吹く風

悲しみは日々に育ち
持ちきれない重さになる
誰にも美しい昨日があり
昨日夢見た 今日だった
後悔はしていないが
望んだところに来たわけでもなく
確かな意志にも拠ってない
それは たぶん 風に似て
優しさに向って行くものだ
救わなければ ならない
何かを目指して
今日から 明日に 吹く風だ


白い息

今日はいい日
予定もなく 街を歩く
唇もひび割れてないし
新しい靴も心地よい
意味を込めない 白い息は
のびのびと 空に旅立つ

水溜りを 跳ぶときの
ささやかな 決意よりも かすかな
自家製の人生における動機は
今日は 家に置いて来たから
今日はいい日


雨上がり夕映えに

誰かが ノックすれば それは
魂柱を伝い やがて私は 唄いだす
至福とは 貯金できない時間
この夕陽を創るのは どれほどの芸術家に
許されるの
私はといえば 堤防に腹這い
川のうねり光る様を
飽きずに眺めている
雨の後の草の匂いと
シャツに染みる感触は 私のもので
実は もともと 夕映えの所有するもの
時はいつも涙腺と
謂れの無い不安に直結して
異質の裏板を
求めつづけるのだろう


Snow at the midnight

地面から11階に吹き上げて
眺める時の それは美しく
泉岳寺に
東京タワーに降りかかる
雪の潔さは 区別無く全てを
覆うからだろうか
それとも
一身に人の視線を奪うから
今宵の酒が ひときわ酔うのは
私の心の受容に問題があるので
他に責任は無い

見かけだけで歩道を作ると
タイルの所は特に滑るって 知ってた?
目に身体に 知覚は少々でも
そんなことを 思う 夜更けのこと


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