POEM 5

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泣けとごとくに 愛は夜更け過ぎに やがて
白き風 マケルナ ウォーターベース
憎しみの匂う夜 蒲の穂 造語遊び
あっぽ 寒夜の猫 リフレインを撃て
理科室の匂い 百 鼠 名 札
峠の空 陰を喰らうもの 停泊船
在りし日の夜行列車 短恨歌 更なる蒼き空に
となりのココロ 微生物(microbe)
2001のロミオ 白山羊の郵便屋さん 朝の風景
薄暮のとき 蟻地獄 ヘンコ


泣けとごとくに

3個から5個の紫式部が
色の枯れた疎路で 雨に揺れて
行く当ても手段もなく 実を結ぶ

悲しい時は まだいいよ
哀しいときは それでもいい

カナシイ時が 堪らない

海にかもめ
山に花
全て
泣けとごとくに 画を結ぶ


愛は夜更け過ぎに

変容
変妖
変様

ごめんね

言える君を
愛してる

先祖から
預かった
夜を
朝に見ると
黴ている

感じる
から
まだ私
生きている

墓碑銘に
深更

刻めたら
私 好き
とっても
ヘンヨウな
雪の東京
記憶に残る筈


やがて

山に生まれ
滝を落ち
至る道は 淋しいか

ありようは
形ではなく
心なのさ

なべてが
海を目指すと
決めては ならぬ

たまには
気体となる末もあり
やがて

また
山に落ちる


白き風

心が虚ろにエコーを返す
人恋しくてたまらない雑踏の
昼下がり
濡れた方の頬を隠し
尋ね犬の 電柱の蔭
白き風は
一万メートル上空の
ジェット気流へ

しきりに誘う
幼なじみの少女の名は
マチエ

云った


マケルナ

途上に伏す

土を舐め 石を噛む
掌に滲むのは 魂の涙
内なる傷が 痛み
疼くんだね

それでも
きっと
大丈夫
誰も求めなくても
自身を愛せ
期待に沿うのは
君の鼓動だけ


ウォーターベース

どんなに酷い人間も
化け物とは違うし
無理解な親戚も
別種の生きものではなかろうに
でも
ときに
チタン製のごとき
ヒトに遭う
軽くて丈夫で冷たくて
えもいわれぬ
色をしている

チタンは痴漢に
置換して

私はこのまま
ウォーターベースで
行きましょう


憎しみの匂う夜


とても好きなのに
激しく憎むことがある
どうでもいい人は嫌いにならない

憎しみの対象は いつも
嫌な性格に向けられる
それも
自分の分身のような 影みたいな
そんなものだ
だから 理屈無く理解して
先走りして 心底 嫌う
「そんなこと云ってない」と言われても
本音が 見えてしまう
だから
憎んでも 嫌っても
それでも 許してしまうのは
仕方が無い

鶏肉や
貝類や
香草が
嫌いなのは
本質じゃなく
趣味に属する

真の憎悪は
いつも
私が持っている
片時も 側を離れない
部品の中から
匂ってくるようだ


蒲の穂

片想いのひと
その家の側の
 小さな池

幼い恋は
近くに行けば
同じ空気を吸え
満たされた

会えもせず
声もかけれない
そのひとの名を
岸辺で つぶやく

高校を校高
間違って詞を写す
中学の頃
ソフトボール部の
あまり
痩せてはいない
先輩

せつなさに心を残し
自転車を廻すとき

Cat's tailの穂が
水に揺れていた
それだけが
景色を 去らない


造語遊び

ウーン ふにふに チュキ
しょったん ブシ
ニャゴ なにしんねん こなろ

親しい者に通じるのは
辞書にない言葉で
なぜか ほんわかしたり
笑ったり

グギュ やらなテメ
あぼー
ホンギャラ ボッチ

愛は言葉で語らない
いつも
想いが先にある


あっぽ

記憶も無い
乳児の ときに
私も きっと
履かせて貰った
誰も かつて
存在だけで 愛された
そして
価値や意味を
問われだすのは
いつからかな
さらに
銭なしでは月も過ぎないように
なったのは
いつだったかな
生きてある
それだけで
認め合う世は
あっぽの ように
永らえない

本当に身に合った
靴を
履続ける人は
しあわせ


寒夜の猫

屋根の上
冷凍庫から出て
星達が呼ぶと
陽だまりの恋の記憶を
頼りに
狂おしく泣く

焦燥感が
消えるまで
どうか
夜明けが
来ませんように

夢は見るケド
望マナイ
愛しているけど
恋しない


リフレインを撃て

嫌なところは
繰り返す過ち
後悔しても
繰り返す

自分の靴下の匂いが
嫌いではない
それって変態

自己愛が
醜くければ
暦の全てを
撃つに 限る


理科室の風

良く晴れて
グラウンドに
楕円のボールが飛ぶ
あれは
君だね
殿様の墓に行ったり
砂利の浜に座った
触りたいのに
言いたいのに
何もなかった
遠い日は
来ないけど
ある限り
白いページが
待っている
説明の出来ない
気持ちは
たぶん
僕の唯一だ


百 鼠

グラデーション
拡張し続ける
不安の神経触手
位置不明
理解可能 認知不可
道具は増えても
人は育たない

百鼠
48茶



名 札

私の気持ちを素直に書いて
胸に着けて歩きたい

不調 淋しい 話し掛けて
やや機嫌悪し 噛み付きます
話しする気分ではありません

その日その日を
刻んでいけば
摩擦が減ってしまうよう

顔で損する 恐いひとには
総背番号より 役に立つ

言葉にすれば
嘘を書くから
ディスプレイを首から下げて
心のどこかに
繋ぐかな


峠の空

窓を開けると
赤松の風
狂おしく求めた
空が開く
山は昨日のように
動かない
換えの肌着も 靴下も 持たず
身一つで
早速 出かけたのは 良かった
愛は私を 救わない
もともと 誰をも助けない
唯一感じ
施しを受けるのは
神様だけに違いない
愛は単純・缶詰で
開けてしまえば
腐りはじめて 芳香を放つ
幸いの住む町は
頂上を過ぎ
降りきったところに
待っている

旅の前から 思ってた


陰を喰らうもの

人の悲しみを喰らい
糧とする生き物は
明日を嫌悪しつつも
記録を刻む趣味がある

 幸せは相対的なのだからと
自負をして
23時過ぎには目を醒ます

針葉樹の根元に暮らし
緑の茸に擬態して

獲物が多いこの頃は
美味しいものに
飢えている


停泊船

白い船の旅立ちは
近いように見えたのに 未だに
兆しもなく 舫ってあった
君が動かなければ
緊張も 期待も
お預けの日々
水門の側に立ちながら
何で 18の
蚊に刺された
城跡の
デートを
想いだすのだろうね

この冬は 雨が多く降るようだ


夜行列車

息白き 旅立ちの日
基部の錆びたレールは
上面のみ青白き蛍光灯を 撥ねており
幾万の虚無を送りし
2番ホームの鉄骨のペンキは
それは それは厚く
塗り重ねてありたり

潮騒が哀しく 遠く
私を引き止めるごと
松の林を越えて寄せるとき
決意は いつしか
牽かれものの それのようになりて
ただ
恨みやすき
父を憎みてよしとせんか

仔等と共に草を食み
まして 乳房の充足においてこそ
牛の幸せのあるや

やがて
重低音を先達して来る
鈍き汽車に
身を託すべき

我のみの恋が
ただ 独り
ステイションのロータリーに
立ちて見送り居たり
その残酷な 風景

やがて花の頃という
ふるさとを
二度目に捨てる
しじん の早い春のことなり


短恨歌

いやすい ところに居たいだけの
いつでも勝負するぞの
ハンは海を伝わるうちに
恨みになった

方言のニュアンスのように
もどかしく
伝わらないもの

残ったものは
かたちのそれも留まらないだけの
匂いふうだ
びしっと 決めるものは
思いの グラム幾らで
滓の
歴史的意味ではない

私の果てなく
恋うる漢詩は
 訳ではなくて
今も
音に尽きている
友よ それだけだよね
祭りの
宵を
君と歩こう
それだけは指きり
しよう


更なる蒼き空に

金曜の朝に 漂う雲のごとく
頼りない 居心地の悪さよ
目的も惰性さえも持たず
読み止しの本を窓辺に置き
精一杯の伸びをしよう
彼方の更なる処を
目指さなければ
陰画のように
見え難い
暮らし

ほんの
少し前に
チョークを引いた
飛行機は 既に見えず
更なる蒼き空に溶けて行った
ここまでおいで 怠けるな と云うごとく


となりのココロ

(旅の宿から)

化け物とも思い
親しき別種にも別けて
煙を吹きつつ つっかけ草履で
隣人に会釈して
我が子に
平準を諭すのは
誉められたことではない
いったい 誤またずに
人を導くものとは
存在するの
多くの 生存手段は
痛みから
学んだような気がして

山の形が
土地によって異なるのを
宿の高みに見ている


microbe
今 人

言葉は そうさ 伝わり難い 心が それを 支えない限りはね
For me  For me  For me
誰もが 気持ちを求めているよ
飾らない 素直な君のところに まだ在った時のことさ
涙のあとの 諦めや
怒りの 果ての 後悔が
僕と君の 唯一の接点なんだよ
To you  To you  To you
何も手に入れないうちに 捨てはしないさ
オーケイ
まだまだ 人は やっていける
意味でなく 音で
訳ではなく 揺らぐ心そのままを
目的の為に と いじらずに 伝え合うならね
ima gine
生まれたての ベイビー
取れたての ハート
進化しない ヘイツ
snap  sing  shout & show
見てくれるひとが
誰だって
何処にも 居るんだと
信じることは 素敵だね
愛してる 心から
すべてのイマジンを


デパート前から駅までを
歩く間の 靴の声のように
私は そんな 音で生きてきた
切るミー シット 不惑
ねえ
心から 労わって 愛し合う
そんなことが 絶望的な
時代なの(ホントニ)
海で逝く 山に去る
それなら 許されて
畳で死んだら
不幸なように
他人の意志が 垂れ流す
蝋梅の花を摘む
自分を憎んでどうするの
季節には
似合った風が吹くでしょう
あなたには
あなたの雨が降るでしょう
身に合わない
コートは脱いで 今夜だけ
生きたいように
パーティ しましょ
その前に
云っておく
私は 私で
明日を 信じているからね


ロミオ in 2001

いつも無力で
仕組みに流されながら
欲しいのは
愛です
栄誉とか権力にも
憧れていますが それは胸の
張り裂けるほどではありませんでした
 わずかな貧しい遺伝子で
鼬に変わらぬ細胞で
発生の人類に勝れることはないのですから
常に土に帰る 植物の 繰り返しが不毛なら
ひとは 毎年生きられません
ときに 似合いがあることを
知り得た者から 去りながら
笑顔が好きで 営むことを
誇れる筈がないように
憎しむ ことは 出来ません
もしも世紀が祭りなら
隣の人の 肩叩こうね


白い山羊の郵便屋さん

不幸はいつも 夜中に電報
手紙はいつも 暖かい
滲んでかすれた 息遣い
ためらう迷うの 文字なので
綿毛にくるまる 手触りを
確かめながら  good night
切り立つ崖を 平凡に
汗もかかずに 運んでくれる
流れ星とか 祝いの蝋燭
いろんなものを
願いを込めたの 忘れる頃に
決まって届く 勇気の四角
挫ける意志と 見果てぬ夢が
リアルタイム の 今だから
白山羊さんを 待っている


朝の風景

7時
室内7゜C
メールチェック
7時40分
連続ドラマ進行中
シャワーを使い
スーツを着込み
マフラーに 手袋
室内19゜C
ラップトップをバッグに
白と黒の隣の猫たちに
一声かけて
階段を降りる
8時15分
エンジン始動
車内3゜C
繰り返される朝の光景
飽き飽きしながら
今日のアクセルを踏む


薄暮のとき

生きているようには とても
見えない藤棚の背景に
茜の空が 架かっている

もともと すっきりと させるなら
自ずと答えは出ているのに
多くの躊躇いでそれを 引きずるのを
優柔不断と 責め続ける人は 楽でいい
鮮明な色たちが いっとき
彩度を失う頃は そんな思いに浸るのだ

山や海のような
大いなるものに
憧れつづけながら
比べるには 黄色が足りない

コントラストの失われた日常は
誰かの支えにもならず
まして 自身を救いもしない
判りきっても 伝えきれない

その先の石のベンチに
万年のヒトビトが居つづけて
今日も花見の相談をしている


蟻地獄

蟻が地獄の暮らしをしている と
思っていた 幼い日
小さな力や存在って
とっても辛いのだな と ね
貧しさや
無学が 喩えられているんだな とか

笑ってしまうけど
結局
何かをを地獄に誘うのなら
アリさんって
やっぱ
かわいそう
ほかの
生き物の生き方を
 とやかくは云えないけれど
始めのイメージは
結構 憑いてまわるし
当たっていたりする


ヘンコ

頑固 偏屈 意地っ張り
娘に遺伝したのはそれだけだから
笑みも引きつる
子供が可愛いと誰もがいうけど
一番見たくない負の血脈に
謂われない おぞましさを
感じることも多いのさ

花木の花芽が割れ始め
芍薬が芽を覗かせる頃は
淡々と巡る季節も
そんなに 悪か ないものだ

無線機をいじりながら
半田のこげる匂いに
プラスとマイナスの語感が いけない
と 直感する
マイナスは Earthに通じ
プラスに優ることもある

それは それで
ヘンコは確実に疑いもなく
育ちもせずに
大きくなっていく


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