POEM 6

POEM1へ  POEM2へ
POEM3へ  POEM4へ
POEM5へ  POEM7へ
POEM8へ  POEM 9へ
POEM10へ POEM11へ

白玉の 俯く黒猫 Blue ruin
モウジャ 迷いのコンドル うわごと
相寄る魂 耳の端越がせ おいた
心の軸 何をそんなに 根 深
麦の芽 雨 雲 老 犬
陽だまりに てのひら いぬがねこを
この長き不在 チープダンスは私に 三寒四温
自 縛 Architecture 早春の唄
今日は乾杯 たおやかな剣 春の雨
どうですか いきもの 2001年のアイラブユー

白玉の

長く失いし友と
寒夜に杯を交わし
あまり語らずに過ごす
その至福は白玉の透き通る
酔いのままに任せておけばとて
ギャーと得体の知れぬ鳥らしきが鳴くのに
互いに首肯するのが何故やら可笑しくて
取り戻せも共感も出来ない昨日のことを
言葉でなく交換する懐かしき肴は蛸刺し
未熟に酒盛りして ブロック塀に止まり
転げ落ちた「ふき」のこと浮かぶは
我のみの記憶にはなけれど
ああ ついに マフラーを
掻き抱く時とはなりぬ


うつむく黒猫

陽の当たる階段に
屋根越しに雲を眺めていたが
やがて それに飽きると
タイルの目地を這う 蟻に惹かれる
その証拠は尻尾の揺れで判る
彼は また 雨の中を歩くので
評判の変わり者でもあった
自信喪失気味に歩くその姿は
日頃自慢の艶毛も肋に張り付き
みすぼらしく見えるのに
雨の夜は
いつもどこからか
光る舗道に現れた
電線を伝って落ちる雨粒に沿って
俯きながら
闇に消えていく


Blue ruin

喉の焼ける安酒に
なんだか上等に酔っ払い
今日を何とか切り抜ける
こんな夜もあるさ と
鏡に親父に似たのが写ってる
とまどう トイレの くるくるは
昔は音を唄ってた
悲しむのは いつも
生き残る方だから と
誰彼かまわず 叫ぶのは
夢で飛べなくなった 腹いせで
意味も 理屈もありゃしない
松ヤニの香りが
はらわたの 腐臭を中和する
そんな気分で 横たわる
こんな夜もあるさ と


亡者の溜り

私が気まぐれで消したさまざまが
寄り合って
思い思いに愚痴を語る
まさに君がたいみんぐ良く
異なる者と亡き者を蘇らしたよね
なべて なぜか
何かの価値の為に人が生きると
誤解しているものの多さよ
いつか 自分が 衝動の産物と
知るときの不毛は 海底の頃の
ヒマラヤのように 手もつけられぬ
実はイエローバンドの意味は
永遠の人類の喉もとの刃なのに
嫌悪が多彩で弓を構える とき
愛は 武器を捨て 平凡にして
両の手を上にして 肩の高さに
いつまでも あきらめないことだろう
しかも微笑みながら


迷いのコンドル

虐げられて
溶け合えずに滅びる誇り
責めても帰らず
だから と 許せず
そのようにしか
抵抗を示さずにはいられない
それなのに
殺すことが
いったい 目的で
何を栄えの
明日だろう とも知っている
悪を はばかり無く
指摘したとしても
ささやかな保証とは
限りなく遠い差異だよ
狼の誇りは
原初の人にしか判るまい
空を切る コンドルの
羽音のコカに彷徨う類いは
土に書いた
宝庫のまさに 鍵の穴に違いない


うわごと

マサラッキ マサノカチドキ マサウスシンボリ
夢に競馬が出てきて
なぜか 全部自分の馬で
「こりゃいい G1 頂き」と喜んでた
何年も風邪ひかなかったのに
やたら 寝込む
うわごとは たわごとだけど
底意が見えて 熱になる
明日は独り
鍋いっぱいの カレーを
作りたい で
目が醒めた


相寄る魂

教えられ 達する者は なく
学びて 悟る者は さらに 無し

生き やがて 死に到る道は
単純なものだから
自ら 裏路地を 求めまい
 日に向う草花のように
一日を首振りながら
他に寄せる 心だけが育っていけば
それで いい


耳の端越がせ

我が唾を掌に塗り 顔撫でる猫よ
さらに高く 君の頭を
耳のハ こがせ 明日天気になる為に

漫然と生きていき
見詰める者のあることを
知ることは なくていい
今を 確かに 動作して
さまざまに
不協和音を
受け入れよ


おいた

いけまちぇんね
だめでしょ
気を付けて
何しとんねん
年取るだけで 育たない
血は理解して 知は判らない
右往左往の古典に歴史
だから
生きてる意味がある
そうして
全てが いとおしい
追い他を しては いけません


突然に感謝の段

何気なく書き始めた詩のページが「おいた」で123篇
今まで数えもしませんでしたが
初めて数えてみたら 妙にゴロが良くて
嬉しかったです
徐々に 減るはずの「詩的通信」も
徐々に増えて
云いたい放題を
享受して頂く あなたに
あなたに
感謝の言葉がありません

私は 心の狭い 自分勝手な男だと
公言してはばからない 小さな商いを営む
ほんとに世の片隅の人間なのです

酔いの雑言
はったりの 造語を繰りながら
まさに 生かしても置けぬ 小人の ささやかに
許される ぎりぎりを
皆様に 頂いています

脳内細胞の 小さなニューロンの伝達でしか
自己を 存在確認できぬ 動物としては
重ねた罰を 解放すべきを
原罪と思わずにはいられない
たぶん それが私の少詩なのですよね

人に係わること が 嫌であれば
私の今日はありません
独りで生きていきたいのに
係わりたい 愛し合いたい 繋がりたい
この 矛盾が
実は 最大の 歌い手なのです
主題は 他にないでしよう
愛をどれほど 知りえたか
これが明日の人の価値になりますよう
全ての東西南北上下の神に 祈りつつ


愛音暗いね汝は無軸

僕は本当に縋ったけれど
ものをネダったかい 虚言なく
愛を以って突き放す構図の確認
さてさて

ああ
暖かいのは
表皮の偽りで 肉に届かぬというのに
薪を探す夕暮れ
しかも 途方に暮れて
大したことは 無い
でも 大変なのは
互いの
中心が
見えない時の 心の修理だね


何をそんなに

恐れるな
君を壊しているのが
己だと自ら認めてこわがるから
かさにかかって 責められる
ここまで とぼとぼと 歩いた道は
淋しかったけど それは それで
豊かな 他には 伝えきれない
ベアリングのボールほどの役割なんだよ
油が切れれば 僕だって疲れる
接触を いざ 絶てば
身の置き所は あるまいに
さらに 壊すべきを
何を そんなに 避けるのか
生き死には 些細な日常の選択だ
君の価値は それではない
君が居るだけで 嬉しい
僕が ここに たしかに いるよ


根 深

ネブカは 音痴です 節が無い
鴨が根深を背負って来る

脇役に見せて しっかり主役

癖ある においが 好悪 紛々
でも あいつが 居なければ
そんな漢(おとこ)が 減ったかも


麦の芽

凍てついた大地に
希望のように 萌える緑
麦が今年の芽を出した
地に落ちて 死んだかどうか
それはたぶん 感動の外にある
生きようとする意志は
見事なまでに美しい
風も
光も
私でさえも
全ての時の魂が いま あなたの為にある事実


雨 雲

歩調にあわせて
行く手を覆う禍禍しきものよ
私は 幾度も 濡れて 転び
頬に多くの 傷がある
それでも だから
予感に怯えたりはしない
今まさに
芽を割ろうとする
庭先のアメリカンチェロッキーの為に
喜ぶのみ


老 犬

ことさら厳しかった 冬を越え
花に群れる蝶を 飽きずに眺めている
ブルースカイ

人に例えれば 100歳にもなるだろう
多くの 泣く子等を 舐めて 慰めた
だから
青年となった たくさんの者達が
貴女を忘れることはない

かつては 奔流であった 時が
静かに 優しく 君を包みながら
その目盛りを 溯るようだ


陽だまりに

落葉の木々にも 幾葉かが残り
2月の風に
ゆるゆると 揺れている

林に陽だまりが腰を降ろして
煙るような 彼方の山並みにも
ようやく
暗黙の了解を 取り付けたところ

幼い記憶を 撫でながら
励ましは しない
叱りも しない
光線が角度をなくすまで
だだ 残された未来の旋律を
歌うことに したようだ


てのひら

あなたに 手をかざし
いつまで こうしていられるの
私の為に とってある
暖かさの残りは あとどれくらい?

もだえるうちが 甘美の類い

それから 向こうの地の果てに
背負子を抱えて 良い日の果実
拾いに出かけた 父母も
とうとう 戻って来なかった

鉄風鈴の泣き言の
とても似合わぬ
曇りのち 掌の夕べ


いぬがねこを

泣き声は 赤子のものか 猫のそれか

いぬがねこをうんだ

きっぱりと 領収すると
切り間違うことの多いもの
ましてや 不信が先たてば
価値は多様
地位は各様
命は ひとつ
心はかよう
触れ合うものに 飽きはせず
檻あればこそ
身を守る
塀なかりせば
他を知らず


長き不在


裁くために この世に生まれたひとは
見えない人を救い
本当は
確信者を めしいにする筈だったが
ゆえに
どれほど 心を慰め
傷を愛撫しても誰の罪かは 示されなかった
なぜなのかを 他に転嫁する言葉が云えなくて...
「決して あなたの せいでは ない」 と
繰り返された

この神の長き不在は

愛の発揮の位置の多様さと
その人の足跡に躓き 里がえりする
いとし子のあまりの多さに
いっとき躊躇し
死者を生き返らせても良いものか の
氷河よりも緩やかな 思考の途上なのでは
ありませんか?


ちーぷダンス

たぶん 私は安いけど
ほんとに そうだよ
心栄えが 良くない
地位が無い 銭がない
言葉もタドイ
友少ない
ストラス ビーズ製の
クリスタルシャンデリアの下で
はしゃぎまくった顔のない
ヒトゴロシみたような
普通の仮面も造れない
ただ
それでも 最後の
チープダンスは私に
取って置いてね
お願いだから


三寒四温

しあわせのことはすぐ忘れ
寒さに震える 朝が来る
揺り戻し 縒りながら
紡いだ夢の端っこは
確かに持ってたはずだった
次第に色を混ぜ合わせ
予想違いの絵になって
一生 壁を 飾らない


自 縛

束縛するのは 私の縄で
他人のそれではありません
結び目緩くしておけば
いつかは ほどく 気にもなる
だから
泣いても いいんだよ
無くだけ泣けば眠くなり
眠れば 醒める 朝も来る
自己 山上の 垂訓は
登らなくても 降って来る
掴まなくても
滑り込む


architecture
( 建築 )

デザインを離れ 施行を逃げて
混構造の二階家が
時間を迷い ある日忽然と意志を得る
物と目の
双方の デジャブによる その異端は
あくまで自己存在のように
由来なき 感懐を
確かな根源とするようだ

外か内か
筋肉か神経か
ひとり 建築のみが
作業に淫するを許される筈がない
育ちながら 腐敗する 原理とは何
ミクロのウィルスに干渉しながら加速して
B−HOLEは収縮に向って波紋の翼を開いて行く

(*友人の建築展を見に行きました〜リンク付けときます)


早春の唄

河に沿って 兎のような路がある
くねくねと曲がるその都度に
土筆が標のように立っていて
おいらの節を口ずさむ
蝶を呼ぶには早すぎて
もぐらの仕事もはかどらぬ
いつか ン十年も溯る
時の呼吸に似ていても
今年は 今年の土だから
逝き日の亡者はさらになし
新しき骸を抱く慟哭の春にして


今日は乾杯

泣く君を 置いていけないと
行く当てもなく あの夜を迷った
そのことを この宵に 杯 挙げようか
変わらない 何も 変えれない
明けていく職安裏の安宿も
時にまぶせば色になり
愛なんて 叫ぶほど 嘘になるよね
手がかりはコークの泡のような
一秒の爽快だよ
今日は乾杯 不実に献杯
きっと毎度のことで
這いずりながら
隣の酔いを案じては
予定の無様を恥じている はず


たおやかな剣

代金にかかわらず
宿酔いが 残すものは一緒だ
自己嫌悪の額縁入り
きっぱりと ゴールデン街が消えてみても
仲間達は きっと どこかで
新品のオダをあげては カウンターを齧り
椅子を舐めまくっているに違いない
自らもてあましながら 振り回した剣は
記憶の秤に載せれば
あまりに軽く細身に過ぎなかった
切れた物は ただ一つ
ギフト用に包装済みの 自己憐憫


春の雨

悲しくて私を訪ねても
何もしてあげられない
答えをひとつも云えない
この雨のことを ふたり
一緒に感じよう
靴のことや ボタンのことなど
面白く話そう
慰めが どれほど 人を傷つけるのか
お互いに
知っているから
この春の雨に 一緒に濡れて
今度買う 帽子を捜そうね
寒いなら そういって
ささやかに 手を繋ごうよ
この春の
愛しき雨に濡れながら


どうですか

素材の開花する未来とは
当然 素質でしょうか
それとも 経験・鍛造・混成 なのですか
解かりやすい言葉は いつも
感動を与えやすいものです
ことさら複雑にしては いけませんが
全てを 一義に纏めて単純にするのも危ないようです
感じて 認識して 咀嚼して
我田可愛さに淫していないかも
検証されなくては なりますまいよ
あるべき本来は無に親を持ち
生きるべき現在は有に恋します
もちろん
あなたは あなたで あるわけで
誰にも譲らなければならない
位相は ありません
ただ 秒針の走るように
昨日と同じでは 私が
いたたまれないだけなのです
どうですか 日々
変わってますでしょうか?
育っているのでしょうか
わたしとあなた


いきもの

吐く息が 伝わるよ
確認は いいよね
こんなふうに 果てしなく
人は 生きて 終るのだかから
なぜか ぼく等は
愛していれば 伝わることを
ややこしくして 価値にするよね
花の前では 微笑みあって
雨の日には いたわりあおう
鈍感を こよなく 好きな 繋がりだから
晴れの日も そうでなくても
君が好きだと 云いつづけてる
それは 小さく リボンも付けず
カードさえない 告白なのさ
春が終れば
今度の花を もう一度
願うように 祈るのが
いきものだもの


2001年のアイラブユー

愛さない のぞまない
誓いを立てれば 夢叶う
以前に 言ったじゃない
小指から 伝わる温もりも
だから絶対あるんだと
信じない 許さない
私がよければ それでいい
思い出したよね
背中で 好きと交わした
YES
こと切れる以前の
I  LOVE YOU
笑わせるなら
上品に
気の利いた さよならを
春の花火に
may be. you know
とりあえず だか
これっきりだかの
スキを
確かに伝えるね


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送