POEM 3

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価値もない コピー&ペースト たとえ終わりが
君が泣けば やまい Tokyo's light
叩いてもいいから あの日
哀愁の雨 東洋一 サルビア
旅の宿 Blue Rain さらば友よ
When do you return? 激しい雨 風に吹かれて
そうだね 飛び去る風景 愛しき者へ
紅葉前線 アベレージ

「 価値もない」

しゃべるまい
それ以上は愚痴というもの
矢守を見つけて
きゃあきゃあ
騒いで
カワイイ

喜ぶ君は
私には悪魔だ

けれど
一瞬ののちに価値を亡くす
メモリーに
とても高い代金を
支払ってきたのは
ほかならぬ
爬虫類の
肌のような あなたの
父であった

むかし
あなたのようであった
父は
水の中に住む
イモリが
実はそんなに
嫌いではなかった


「 コピー&ペースト」

芸術家だらけの世の中は
きっと窮屈なものに違いない
銀行家だけの世界はもっとおぞましい
役人だらけになったら
税金の夢ばかり見るのかな
ところで
歴史は模倣を繰り返し
ところかまわずに上書きするのだよね
500円のネクタイの
いったい何処が可笑しい と
真剣に問い詰められたら
笑っちゃうけど
わたしは きっと ころされる はず
夢はいつも未来に向かうかのように誤解されるが
存在の履歴自体も
夢の中を彷徨うほかに
居場所がないのではありませんか
携帯式遠隔映像変換装置
が 実はわたしの自由を奪ったのに
きょう 気付いた


「 たとえ終わりが」

清くて正しいものが
価値を失えば
それは虫の棲家
どれほど悲惨な生活でも
分け合い労わりあうのが
人の世というものだ
持てる者こそが惜しみ
持たない者が身を削る
人とは実に
そんなようなものだ
助けてあげたい気持ちがなくなれば
虫にも劣る棲家の住人
決断は突然とには訪れない
じわじわと
人生を振り返り名残惜しくも振り返る
たとえ
しまいが不遇でも
娘の為に
出遭った数の少ない人たちの為に
前を向きつつ
倒れたい


「 君が泣けば」

悲しみにくれていると
指の範囲を
手が避ける
丁寧な言い方を
するときは
夢の遠さに嘆いてる
僕はといえば
地下鉄の乗換えが
気休めになるように
祈るだけ
君が泣けば
方南町はとても近い


「 やまい」

こころだけは絶対に 他のようでありたくなくて
命だけは他のようにありたい と
願うのが
詩人の病いの唯一で
それでなければ
病むことはない

とっとと
鬼籍に
ハンを押す


「 Tokyo's light 」

こきょうに帰る日
機上からの
ネオンの灯が
きれいだった
それは
何もいいことがなかった街に
残してゆく
私の青春のそれだった
決して
悪い事ばかりでは
なかったよね

幾度もつぶやく
楕円の窓に
西の空は
夕焼けに
染まっていた
古い喫茶店の
踏絵の額や
代々木の
社会人バスケットの試合
爪を剥がしながら
放り投げた
敷石の
不規則線が
唯一の
いいことだったと
いうのに


「 叩いてもいいから 」

御願いよ
殴ってもいいから
私を捨てないでね
ひとのことじゃない
あなたの
ひじの温もりだけで
生きているわたし

知ってた?とか
クックックーと
笑った
私の癖が
好きだと云ったじゃない

誰でも良くないの
せめて
あなたの
皮膚だけが
頼りだから

捨ててもいいから
触りにきてね
ほんとよ
たまにでもいいから


「 姉 」

いつの頃からか
何故か指を折りながら
記憶をたどる癖がある
あれは、いつのこと、いくつのとき

五つで死んだ姉の記憶もないのに
姉は私を愛していると
信じて生きてきた

人生はいつも途上であるから
結論を下すひまが無い
感情と勘定に追いかけられて
今のことしか云えないのは
私が幼いからに違いない
それは
青い飴が好きか
紅い飴が好きかといわれて
選択する子供のようだ

そう それは
今も
私が 二歳の私でいるからだ


「 あの日」

空に行きたいと思った
満たされた日常に飽き足らず
どこかが
ここではないと
思いつめたのを忘れない
僕が帰るのを待っている
何かが
誰かがあることを
願ってた
奇麗事で一日が終ると
さびしくて
死にそうな夜の
繰り返し
だって
自分でさえ見離した僕を
見てくれるものは
いなかった
勇気があれば
ここに
僕はいないよ
生まれた朝の
茜に抱かれ
好きな手紙を
来る日も来る日も
書きつづけている筈さ
死ぬほど全部で
僕の人生を
愛してくれる
人なんて
いないから


「 哀愁の雨」

心を残して 離れた 影の行く先は
どこかに ささやかなコロニー
ディノスの復讐の溜まり場

自分探しの旅が
ガバメントに決められて
携帯が通じなければ
「オーソーリー」

豊かでない私の為に
奉仕を義務にするのなんて
サンキューね
死ぬほど愛されて
素敵なことだわ わたしたち

哀愁の雨

ただ降るだけで
意味を教えてくれたこともない

Oh! お願い
私の感じるところを
知っているのなら
七番目の靴箱に
そっと
入れといて


「 とよいち」

東洋一はなつかしい名前
小学のときのともだち
色の黒い高くて細い男の子

ひとが云うほど
変な名前ではない
むしろクールだと
思ってた

今になれば
記憶の彼方で さらに
とても素敵な
名前だ
とよいち

今 とよいち は
どこに住み
何を考え
何人の子供に
囲まれて
どんな暮らしを
しているのだろうか


「 サルビア」

燃えるような
知頭の色が去ると
ミロの誕生になぞらえられて
、のようなそれは やって来た
暴力と血の旗を掲げて

静かに降ろされる聖火の末
やがて朱色から灰へと
その色が醒めていったとき
歓呼の声も去り
枯れ果てた街には
取り返しのつかない骸に
取り付いて泣くだけの
風が吹いていた

ささやかな幸せを
願っただけで
このように試されるのなら
神よ
あなたを生んだ
その地に
我等を帰せよ


「 旅の宿 」

日暮れ時の
風呂の後
ビールの前
旅の楽しさは心地よい疲れと
宵からの酒宴の期待に尽きる
食事の前に付近を歩くと
銀杏の落ち葉が
階段に散っていた
昼間の壮大な風景の余韻は
宿の小さな和室の中で
徐々に心に染みていく
せせらぎの音に
非日常という優しさを添えながら
旅の宿は更けていく


「 Blue Rain 」

優しさに傷つく日
愛しさを憎んでも
帰りたいよ 君のいた
あの季節(ころ)に
blue rain
夢を追いかけて それだけで
済むのなら
blue rain
傘を捨て 旅に出ようか


恋しさに迷い込み
哀しさを嘆いても
それは何も 生まれない
徒さ
blue rain
 時を悔いながら それだけで
生きるなら
blue rain
人を止め 海に行こうか


「友よ」

幸せでした
出合えた多くの
喜びと
憎しみに
感謝します

たまたま私には
住み難い世界でした
何一つ成功しない
まま
たくさんの
不幸を
残したのかも知れませんね

これで私のせいいっぱい
だったことを
ひとりでも
分ってくれれば
さらに
幸せだけど

たくさんの生きてあるべき
不幸な人たちに
私の
残りを分かちます
大丈夫
希望を捨てないで!

こんな世の中がまっとうな筈はない
ある日
突然と 変わるから
君が望めば
必ずそこへ行けるのだから


「 激しい雨 」

心に流れ込む 激しい雨よ
季節のうつろいに 戸惑いながら

 汚れ果てた子犬とともに
路地裏に 捨てられた者同士
良いこともあったな と
いつかの 夢を
慰めあって

互いに願っていた

「巻き戻したいのは
時間ではなく
優しいかった 人との距離だった」

そして 新しい 空の来るのを
待っているよ



「 風に吹かれて 」
〜 痛いよ 〜

転がるのは 風のせいと
大人たちは 訳を知りつつ
すべてを ごまかした

そして 俺はといえば 傷つくたびに
自分を責めて さらに 逃げていた
ごめんよ それが 今までのホントだよ
これ以上 君に嘘はつかない
いま 風に吹かれて こう思う
ひとを責めることは 自らの痛みの訳を知ることと

頂上に行けると 信じたのじゃない
ただ 愛してると 云いたかっただけなんだ


「 When do you return? 」

希望よ おまえは いつ帰る
この長い道程に私の意志は
挫けようとしているのに
いったいどこで何をしているのだ

幼い日々に別れたまま後姿の記憶しかない

すずやかな風が 吹きすぎる季節
今ほど 恋しいことは無かった
髪は薄く 肉は削げても

私はあの日の心で
おまえが帰る日を
ひたすらに 待っている


「 そうだね 」

「よしが淵」で溺れて死んだ
彼を
吉田君と いう 名に摩り替える
若くしてバイクで亡くなった
北崎の ヨシ あんちゃんの
本名の ことも 残っていないぞ

あったことや その欠片が
生々しいのに
主体が
記憶に操作されている

そうなんだ
人は己の頭の中にしか
歴史を仮託できない
そんな たよりない 生き物だよね
私の愛するすべてが
ただのエゴでしかない

「自己虫」に気をつけましょう
あなた以外のすべての人は
何かの別種の 生き物なのだから


「 飛び去る風景 」

アクセルを踏み
駆け巡った 街や村
あのたくさんの風景たちは
どこに飛んで行ったのか
僅かな残滓を私に預けて
今も遠く離れつつ あるのだろうか

君と見た あの空や海を
探しに行こうか

心はすでに
旅支度を終えている


「 愛しき者へ 」

何も語らず 君の手をひき
険しい山 滝を見に行った
幼い君にはそれはヒマラヤ
文句もいわず しっかりと
歩きとおしたよね あの日

人生は そのように ただ
言葉に尽くせぬ時がある
声が出せないときは体を
動かすだけでいいんだよ
ゴールは必ずそこにある


「 紅葉前線 」

男のこだわる 想い出は
涙を隠した それのこと
云えば良かった それなのに
死んでも 語れぬことがある
いまは 夜汽車に揺れながら
あのの色 話すべく

何かの伝わる この頬は
子供の頃の ままなのに
云えば良かった それなのに
死んでも 語れぬことがある
やがて どこかに辿り着き
そのの色 なつかしく

思えば親しき 一枚を
貼るべき場所を見出せず
云えば良かった それなのに
死んでも 語れぬことがある
たとえ 昔が帰っても
このの匂い 異なりぬ


アベレージ

46で逝った父と 49で逝った母の
人生を
等しくは出来ない

我儘 傲慢 不遜 何も 掲額に値しない父
暖か 優しさ 思いやり 満点の母


兄は母を慕い
私は 父を好いている

樫の木や その他の雑木に囲まれて
母と父は
ひとつの ところに
収まっている

せめて
喧嘩だけはしないように
残された兄弟は
願っている


 「 鮎 」

生まれ故郷を求め遥かに遡る
浅瀬や ダムに阻まれても
ひたすら そこへ辿り着く為に
尾を痛め 鰭を傷つけても遡上を
止めることはない ただ生まれた
川の匂いの記憶が 全てなのだ
生み親を知らない 鮎にとっては
そのようにしか 母を愛せない
それでしか 父を確認する方法が無い
よそ目には 悠々と泳ぐ彼女達の
愛を確認する作業は 美しく哀しい

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